Mikiyoshi1986

マジック・イン・ムーンライトのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

3.7
明日12月1日で82歳のお誕生日を迎えるウディ・アレン!
おめでとう!!
そして初観賞の『マジック・イン・ムーンライト』

とってもムーディーでロマンチックな雰囲気のタイトルですが、
そのシーンはまさかの『ラ・ラ・ランド』を思わせる天文台とエマ・ストーンの組み合わせでびっくりしたー!
予言か、偶然か、そもそもこれが元ネタだったのか…?
ともあれ、思えば恋という名のマジックがここで象徴化されていたなんて、
こうした時折見せる甘ったるさが相変わらずウディ・アレンらしくて良かったです。

素敵なおじ様の代表格、英国紳士コリン・ファースが偏屈な人気マジシャンを好演!
彼が暴こうとする相手は、交霊術などの霊能力で富豪母子に取り入っている美人占い師のエマ・ストーン。
二人の攻防は意外な方向へと発展していきますが、正反対の男女間に芽生えるロマンスは『スリーパー』とか初期の頃から変わってないですね。

一方この奇術と懐疑が織り成すプロットからは、アレンが最も敬愛するベルイマン監督の作品の一つ『魔術師』へのオマージュも垣間見え、
また二人が海水浴を楽しむ岩場のシーンも同じくベルイマン『夏の遊び』のオマージュを思わせます。

「魔術vs科学」を通して"まやかし"の意義を説いた『魔術師』ですが、非合理主義への信心=神の存在を容認するという構図も、事故った叔母への祈祷シーンで特に影響を感じました。

1920年代の南仏が舞台ということで、暖かみのある斜陽と高度な照明マジックも大変印象的です。

米国で来月公開される最新作『Wonder Wheel』も今から楽しみ!
年一のペースを崩さないアレンの健康を今後とも願い続けたいです。
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