きゃん

バクマン。のきゃんのレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
3.7
優れた絵の才能を持つサイコーと、巧みな物語を書くシュージン。高校生の2人が漫画家のコンビを組み、人気漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の頂点を目指す壮大な夢を描いた物語。「友情・努力・勝利!」厳しい現実に苦しみながらも、その中で夢を叶えようと戦い続ける2人の高校生の青春ストーリー。

漫画家を目指すストーリーということもあり、漫画のストーリーを練ったり、描いたりしているシーンが中心の作品で一見派手さがないように思うが、最新技術を使い見ていても飽きさせない演出がされている。プロジェクションマッピングやCGを駆使した見せ方が斬新でダイナミックで見応えがあった。新しい感覚の映像。机とGペンで作品と締切と闘う漫画家たちの過酷さ、漫画に対する情熱がひしひしと伝わってくる。

主演の佐藤健・神木隆之介をはじめ、脇を固める個性的な俳優たちがそれぞれ良い味を出してた。一癖も二癖もあるキャラクターたちを見事に体現していた。特にライバルの高校生漫画家・新妻エイジ役の染谷将太が良かった。しゃべり方が独特で嫌味な奴だけど憎めない。最高・秋人VSエイジの筆を剣に見立てたバトルシーンが迫力満点。2人と一緒にジャンプの連載、アンケート1位を目指す担当編集者役の山田孝之も良かった。良い意味で山田孝之ぽくない役だった。
他にも新井浩文や桐谷健太など俳優陣が豪華。漫画家や作家は孤軍奮闘するイメージがあったけど、ライバルでありながら仲間なんだなということが実感できてほっこり。

編集部や会議の様子・連載されるまでの過程・漫画家と編集者の関係など業界の内情は、普段目にすることや知ることがあまりないので新鮮で興味を持って見れた。ジャンプの連載にたどり着くまでも大変な道のりだし、連載されたからといって安心もできない。読者アンケートで結果がでないと切られる。漫画家の世界は想像以上に過酷。一瞬だけ輝くことでも大変なのに、長期に渡って連載していくことは精神的にも肉体的にも辛く過酷な事だとこの作品を通して思い知らされました。私は、小さい頃から漫画を読んできて、漫画に夢や希望を与えてもらってきたので漫画家の方々には感謝と尊敬でいっぱいになりました。
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