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バクマン。のusiのレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
3.2
原作未読。
こういう原作漫画にファンが多かったり
原作の出来が良いゆえに実写になった際の違和感が注目される作品は
色々と大変だと思います。
(それでも現代社会やきわめて近未来な作品ならまだいいかもと思いますが…)
しかし当方原作はほとんど未読。
アニメにもなってると思いますがそちらも観てません。
なので、純粋に実写映画として楽しめました。
でも普通の観客の方とはちょっと違ってしまうのは当方漫画描きというところがあります。
だからどうしても…漫画を描くというシーンにおいて
料理下手な役者がシェフの役をやって
おぼつかない包丁使いを見ていイラっとする本物のシェフ
…の気持ちに近い思いをしたと思います。
まぁそこは物語を進める上で、また楽しむ上ではあまり関係の無いところだとは思います。
しかししかし…それでもこの作品を観て
ジャンプとか漫画持込とか漫画の世界をこんな感じ…と思われると
やはり それはどうなの?と思ってはしまいます。
………さておき今作。
なかなか楽しめました。もっと中だるみするかなぁと思っていたんですが
リズム良く、要所要所に流れるテンポをしっかり感じさせる音楽の効果もあって
なんでもないシーンでもいちいち何かあるのか?と思わせたり
ドラマの強弱も激しくは無いもののきっちり感じました。
演出のアイデアも豊富で「漫画を描く」という
おそらくこれ以上フィルムを無駄にするしかないくらい退屈な画を
見事な手法と小気味良いペンの音などで演出してて退屈を感じませんでした。
自分の描く漫画を天才とされる人間に横取りされ
自分以上のモノを上げられるのを目に前にして思わず涙する主人公を見て
ああ…もうちょっとがんばれば漫画好きがテーマの良い映画って撮れるかも
と思ってしまいました。
観初めの期待値がそんなに高くないのもあってか
結構楽しめました。
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