にしやん

The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅠのにしやんのレビュー・感想・評価

3.0
1949年の第二次国共内戦下の中国を舞台に、沈没した客船、中国版タイタニック号と言われる太平輪に乗り合わせた3組の男女の出会いと別れを壮大なスケールで描いた大型歴史大河ロマンや。監督は巨匠ジョン・ウーやな。この作品は2部構成の前編で、前編は第ニ次大戦での日本敗戦直前の抗日戦争から戦争直後の中国を皮切りに、戦争や時代に翻弄されながらも愛を貫いた3組の男女の出会いや別れを描いてるわ。メインプロットは抗日戦争の英雄で国民党の将校と実業家の娘との話やったかな。
この映画、実は2014年の作品みたいやな。日本公開まで5年も掛かってんねんな。何でやろ?なんか大人の事情でもあったんかな。
とにかくこの映画テンポが悪い。話の進みが遅すぎや。途中は中弛みしたわ。
この前編の見どころは間違いなく冒頭とラストの方の戦闘シーンや。ハリウッドと違て、CG使わんと、リアルに戦闘シーンを撮影したんは、さすがジョン・ウー監督やな。超リアルな迫力がもの凄いわ。ジョン・ウー監督作品の見所はなんちゅうても戦闘シーンやもんな。この映画も「レッドクリフ」さながらやったわ。この点(だけ)は評価できる。
人間の描き方は今ひとつかな?特に前編では明かされてへんことが割りと仰山あったから後編に持ち越しやな。
それにしても顔のアップ多すぎや。こんだけ中台韓日の美男美女集めたら気持ちは分からんではないけど、あそこまでアップしまくったら粗も見えてまうんちゃうかなと、わしのほうが心配なったわ。
戦争についてやけど、抗日戦争は大義はあんねんけど国共内戦はほんま虚しいな。根本は政治家の単なる政争やもん。巻き込まれる庶民はたまったもんやないわ。みんなの人生変わっとるやんけ。作者は戦争によって人生を狂わされた多くの人間の悲しみや苦しみ、虚しさについて代弁しようとしてんのやろけどちょっとその辺は食い足らんかもな。後編を待つとしょうか。
せやけど、日本ではあんまり語られへん国共内戦について、どちらかの視点に偏ることなく描かれてる点については評価出来るかな。
この内容でこの尺は長いい!絶対にもうちょっとコンパクトになるよ。まだ、事故の日の船に乗る話にも全く辿り着かずや。果たして2部構成にする必要とかあったんやろか?3時間の1部構成のほうが良かったんとちゃうか。なんかこっちも大人の事情でもあんのやろか?
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