「アクトオブキリング」を観ていたのでこちらも。
「責任なき悪のメカニズム」
当時の様子を興奮気味に語っている彼らは、とても異質に見える。
狂っているようにも見える。
でも彼らにとっては当たり前のことだったし、そこで何か疑問に思うことすらない環境だったのだろう。
いや疑問に思う余裕も、必要もなかったのかもしれない。
明日も普通に今日と同じような日が確約されているような平和な世界に住んでいる私が、正義だの悪だの言える立場じゃないのかもしれない…と思ってしまうほど。
主人公のアディは兄を殺された。
兄を殺したとされる人たちに会っていくアディ。
比較的彼は表情を変えることなく、事実を受け入れていく。
どんなに惨いことを言ってもあまり表情を変えなかったアディが女の胸を切り裂いた話をしているときに、思いっきり眉間にシワを寄せていたのがとても記憶に残っている。
「殺したやつの血を飲んだんだ。そうじゃなければ俺はおかしくなっていたね」
アディが貴方の父たちに私の兄が殺されたと言うと、「過去はもう忘れて」と虐殺者の家族たちは言い放つ。
…ちょっと何言ってるかワカラナイ。
え?ちょっと待って下さいな、と言いたくなることばっかり。
傷を負わせた側が「もういいでしょ!もう!」って言うことは許されないことだと気付いた。
2018/2/25