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ヴェルサイユの宮廷庭師のCOZY922のレビュー・感想・評価

ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)
3.4
無造作にハーブが咲き乱れる野趣溢れる庭にも惹かれるけど、ベルサイユ、シェーンブルン宮殿、ピュートル大帝の夏の宮殿などシンメトリーで幾何学的に美しい宮殿庭園にはまた別の魅力があって好きだ。本作で取り上げられている”舞踏の間”。計算された秩序の美とはちょっと趣きが異なる遊び心のある空間だ。一番最近訪れた際には修復中なのか見ることができず残念だったことを思い出し、旅の思い出に押されるように鑑賞した。

ルイ14世による庭園の増改築の一部を任された架空の女性庭師が主人公。仕事や庭園そのものよりも、17世紀のフランスで女性が仕事に就いて自立することの苦労、その中で生まれるラブストーリーにフォーカスした内容。思っていたものとは違っていたけど、これはこれで良かった。

当たり前と言えば当たり前だけど美しい庭が完成するまでには文字通り泥臭い過程がある。汗と泥にまみれて庭を作るケイト・ウィンスレットが泥だらけになればなるほど艶かしく見えた。「愛を読む人」でも思ったけど彼女の容貌はバリバリ現代よりも少し前の時代の方が似合う。過去の辛い出来事を払拭するかのように庭師の仕事に取り組む姿が、背景にピタリとはまる。

美しい映画だった。しか〜し、決定的にNG出したいと感じたのが英語。これはないわー。フランスが舞台でフランス人の設定で「私達フランス人は・・」という台詞もあるこの映画が英語って、、、うーん。これは何とかならなかったんだろうか?
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