きぬきぬ

裁かれるは善人のみのきぬきぬのレビュー・感想・評価

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
4.0
やはりこの監督とんでもない!構築された映像の構図の美しさ、光彩の表現の素晴らしさ!140分の長尺で重い内容ながらサスペンスの緊張感を保ち、思わぬ展開に呑み込まれる。
先祖代々住む土地を奪われる男は、酒飲みで短気だが善人と見える。友人の弁護士の助けで土地返還の控訴をしても、悪事と権力で町を支配する市長(国家)の前では無力な上、立ち向かおうとすればする程、状況は悪い方へ転がり、男の家族や友人や周囲の人々との関係さえ悪化して行く。人間の弱さと言える部分が痛烈!原題の「リヴァイアサン(レヴィアタン)」とは、聖書では海のごとき最強の生物であり、祓うことの出来ない悪魔。女にとり憑くことを好み、キリスト教では嫉妬を司る。まさしくこの物語で、悲劇に見舞われた男は、レヴィアタンと対峙してしまったかのようだ。教会が悪の権力者側に加担しているように描かれているのも興味深いし、
男の息子が、入り江に打ち上げられた大きな骨(鯨かな)と対峙する場面も象徴的で印象に残る。