権力を盾に不当な土地買収を計画する市長に対し立ち向かった市民の結末を描いたロシア映画。
2022年97本目。
『ラブレス』のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品です。『ラブレス』ほどの不快な胸糞感は無かったものの、やはり救いのない重苦しい作品でした。
友達の弁護士と共に正統な方法で土地の所有権を訴えるコーリャに対して職権濫用で横暴な手段を採る市長。力のない正義は無力であることをまざまざと見せつける現実主義的な無慈悲な展開は良くも悪くもヨーロッパ的だなと思いました。一市民の無力さが広大なロシアの土地の中でより浮き彫りになる演出も皮肉染みていて印象的でした。
かなり重苦しく骨太な人間ドラマでした。