Palpatine

裁かれるは善人のみのPalpatineのレビュー・感想・評価

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
5.0
完璧な映画だった。力強かった。
この監督の映画を観るのは三作目だけどやっぱり好き。どれも厳しいストーリー+美しい情景で印象的だけど、中でもこれはストーリーに緊迫感があって、純粋な面白さも相当あった。

聖像やイコンが頻繁に映り、神の不在を主張しているが、アンジェラの心の中にだけは神がいて、最後に救いのあって良かった(ここは神父の話にリンクしてる)。

会話シーンがことごとく面白い上に、暗示的な映像(魚の加工場、豚、鯨の骨)が全て印象的だった。
重機が権力の完璧な象徴になっていて感動した。
風景は美しいが、寂れた町を山と海が取り囲んで外界から隔絶してる所は、いかにもヴァディムの小さな帝国、という感じ。

「リバイアサン」を「裁かれるは善人のみ」と訳してるのもキャッチーでいいな〜と思う。
トマス・ホッブスの「リバイアサン」=国家権力ということだと思うが、鯨=リバイアサンの骨はあまり国家権力を示しているようには見えなかった。
鯨の骨の意味するところは、もっと考えてみたい。
Palpatine

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