裁かれるは善人のみの作品情報・感想・評価

「裁かれるは善人のみ」に投稿された感想・評価

miyagi

miyagiの感想・評価

4.0
絶望指数、不条理指数120%の作品。
いやはや本当救いがない。
邦題がネタバレしてしまってるので、勘弁してほしいが、それにも負けず劣らず酷い話。

軸となるストーリーが途中から入れ替わってくるが、巧みな脚本の構成力でもって人間の業の深さをあぶり出す。

市長がクソすぎてぐうの音もでない。
司法と行政の犯すミスが善人である主人公の人生をどんどん狂わす。
主人公のコーリャが悪人ヅラに見えたので、そこだけなんとかしてほしかったが、取調べ時の泣きの演技は悲壮感がエグい。

神の話を持って来られると、ちょっと観念的すぎて嫌なのだが、今回に関しては神の不在を疑うべき展開となっているように感じられた。

この監督好きだなー。
海辺の白骨はあれなんの動物のだろうか?
善良な市民が悪徳市長の権力と戦っていく姿を描く映画だと思っていたらだんだん様子が変わってきた。

スコセージの「沈黙」と類似したテーマの作品だった。

固定してると思わせる安定したカメラがほんの少し揺れる。

こういうショットが固定ショットに挟まれる。

いいも悪いもない、「善人」は「聖書」と同様に人が作った言葉だけに存在する。

真実、信仰、善悪、善良…

人の作った言葉に人は酔い自らを許していく。

それにしてもロシア人はエリツィンのようにウォッカを水のように飲み、宗教のように酔っ払う。
原題「リヴァイアサン」とは
この世界が「最後の審判」を迎える日まで
悪の存在として無敵で在り続ける
旧約聖書に登場する海の怪物

ちっぽけな庶民の抵抗なんて
何の役にも立たない

「正義は必ず勝つ」とか
「最後に愛は勝つ〜♬」とか
そんな言葉は通用しない

平凡な善人を踏みにじり
最後まで 笑っている
強大な国家や 権力や 宗教者たち

現代のロシアの厳しい社会問題が描かれているのだろう
神も仏も無い
絶望感に打ちひしがれる

これもまた
悲しい程LOVE が LESS していた
「ラブレス 」(2017)の監督
アンドレイ・ズビャギンツェフ の作品

ただ
映像の美しさ
ロケーションの美しさには
圧倒される

ポスターにも使われているシーン
巨大な鯨(?)の骨の横たわる
海岸は
幻想的で神話的でもある

邦題が ストレート過ぎる気がするけれど
これは…聖書の中の言葉なのかな


*3/14 DVD鑑賞
motio

motioの感想・評価

4.7

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。傑作だと思う。
海沿いの田舎町で慎ましく暮らす家族が市から立ち退きをせまられ、代々守ってきた土地を奪われそうになる。友人の弁護士と共に抗うけれど、、、という話。
ストーリーの展開が端整で、余計な説明がなく、かといって理解できずに置いていかれる事もなく、ちょうど良い進行で引き込まれた。
もっと高評価を付けたい所なんだけれど、いかんせん悲しい話なんだよなぁ。
ラストの牧師が説教をするシーン。
「今日の世界善悪の基準は目まぐるしく変化する。本当の価値は偽物にとって代わられている」というセリフの時に幸せそうな市長の家族が映される。
描かれているのは特別に悲惨な出来事ではない。主人公も理知的な思索を持って行動する人間ではない。
こういった誰にでも起こりうる哀しみをどう処理したら良いのか。
苦しみの形がレアかどうかは本人には関係無い。
フィリップ・グラスの音楽も良かった。
しの

しのの感想・評価

4.0
繰り広げられる不条理。
現実とは残酷だね。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
案外嫌いじゃなかったけど結構ドラマ重視にしていて少し芸術性にかけている部分が残念だった!彼ならもっと大胆に複雑な作風なおかつ美しい独特の映像美を発揮できると思ったんだが。でも逆に少し娯楽性がある分大衆にはウケが良いだろう。でも父帰るだけが傑作で他は微妙って言う評価は相変わらず変わらなさそう…。
marie

marieの感想・評価

3.0
初見

原題「リヴァイアサン」。
ちっぽけな人間ごときが太刀打ちできるはずのない、神の創造物。
国家や土地に縛られて生きる人々の平坦な絶望を、痛烈な政治批判とともに淡々と描いた作品。
「LOVELESS」よりも宗教色が強い。
自分に神への信仰という素地がないせいか、この救いのない結末に、描かれていること以上の価値を見い出せませんでした。
何も言うことが出来ない。

特筆すべきはロケーションの素晴らしさ。作品のテーマを補強して余りある迫力。特に印象深いのはポスターアートにもあるクジラの骨と朽ち果てた教会。
それから破壊される家屋を内側から撮影したショット。ここが自分にとっては最もエモーショナルなシーンでした。

(追記)
鑑賞後数日、どうして自分はこんな嫌な気持になるのかをぽつぽつ考えていた。理由はこの映画の中で描かれる「神の不在」だと思う。
神の不在を描くこと自体が、神の存在を肯定しているようにも感じられるからだ。うまく説明できないし、信仰を持つ事を否定するつもりもないのだけど…もうしばらく考えなくてはまとまらない、とにかく哀しい気持ちになる映画。

このレビューはネタバレを含みます

なんという題名だろうか。呆れてしまう。確かに内容はそういったものだけれども、もう少し何とかならないだろうか。
まず、この作品の舞台となった地方は何処なのだろうか?と荒々しい地形を持った風土に相応しい個性を持った人物たちが登場する。旧ソビエトの北方であることは、銃の的となったメンバーを見れば、なおかつ市長の部屋にはプーチンの肖像がかざってあった。これだけ取り上げても、かなり反権力的な姿勢が伺える。最終的には悪の勝利というところで終わるところも珍しい。だが、逆にアピールする部分は強くなる。結果として、妻は死に、夫は刑務所へ、その助けに来た友人も負け犬のごとくモスクワに戻っていき、息子だけが友人宅に拾われて、唯一の救いとなっている。この家族を取り巻く友人の存在がかなり大きく、警察官の友人とその妻は非常に光っていた。
ラストに響き渡るフィリップ-グラスの調べが、この作品のすべてを物語っていたように感じた。そう、あとロシア正教の取り扱いも見事で、悪の拠り所となってしまっている事も強調していたことを忘れてはいけない。
matool

matoolの感想・評価

3.0
アンドレイズビャギンツェフで観た。よくわからなかった。
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