Essini

夏をゆく人々のEssiniのレビュー・感想・評価

夏をゆく人々(2014年製作の映画)
4.5
トスカーナの辺境な町の養蜂家一家の話。職人気質な父ヴォルフガングと、地元のTV撮影を機に、世間との繋がりを模索する長女ジェルソミーナ、少年院の更生の一環で預かったドイツ人少年マルティンとの関係を軸に、共同体の内/外の在り方が描かれる。

一家の閉ざされた状況が描かれテーマが社会派、BGMも自然音のみでトーンも寡黙、ただ子供時代の大人への不信や異質なもの(マルティン)への理解の過程が、幻想的に描かれていて『ミツバチのささやき』の後味に似ている。瑞々しい子供の感性を思い出す作品。ジェルソミーナの名前に表れているように、フェリーニ映画への目配せも感じ取れるかと。
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