あの画面の切り方はズルいとしか言えない。あの狭い正方形の世界の中で必死に生きる母と子。普通に生きることの方が難しいけど、二人には二人なりの生き方があるわけで決して絶望的じゃない。そんな強さがあるからこの映画は美しいのではないかと。
個人的にドランが監督したアデルの”HELLO”を見て、なんであんなに風がビュービューなんじゃ!と思っていたけど、この映画を見て納得。風は感情を曝け出させる存在なんだなと。彼は気候を操る天才でした。あっぱれ。
しかし夢を見たり、束の間の幸せを感じた時に長方形の画面サイズになる発想がすごい。幸せを感じた瞬間、世界が広がるあの感覚を画面で表す方法には感嘆としてしまいました。何回見ても泣いてしまうわ。