毛布

Mommy/マミーの毛布のレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
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苦しい、苦しい、苦しい、美しい、愛おしい。スティーブもママもカイラも大好き。好きな人たちがこの映画を好きな理由がわかったよ。
みんなどうにか生きている。スーパーの袋が穴空いてあーあって日も。抑えられない感情も抱えて。
未来を見たとき、あれ、これで終わるのかと思った。あれはもしかしたら今後かもしれないし、希望はある、誰にもわからない。ママになったことない私は、子どもを育てることも、親としての永遠の愛も知らない。でも子どもで居ることと、ママの愛はわかる。スティーブに近いのかな。でもADHDじゃない私は、彼がコントロールできない気持ちはわからない。クラスにじっとできない騒がしい子がいたなぁ、うるさいなぁくらいにしか思っていなかった。この症状?の名前も大学に入ってから知った。何が言いたいかと言うと、私は映画の中ではみんなに共感して、苦しくて、涙を流すけど、経験的にはどこにも共感なんてできない。なのにこんな胸がぐうってなって、いたたまれない。そんな風に思えるって、物語って映画って人間ってすごくないか。ママがどんなに大変か、愛は永遠でも、時間もお金も心身の余裕もなかったらいかに自分が保てないか。スティーブも自分のことはわかってる。けどママしかいないのにママから離されたらどんな思いか。一生懸命な彼らに憧れすらする。だって最高の親子なんだもん。笑顔が可愛いんだもん。画面がキラキラで、軽い作品ではないのに思い返すと軽やかな色なんだ。カートを思いっきり回して、叫び出して、生きてるって感じたい。
指をちょっと切っただけで痛くて泣けて、健康に生きてるありがたみを感じたから、生きる意味がわかんなくても、痛かったらいつもの自分がなんて幸せか気づく。でも痛みって忘れるんだよね。

映画館で見たい....。画面をあんな風に広げるなんて、すごいよ。ほんとにかっこいい。監督当時25歳って、もう衝撃しかなくて、自分の存在はなんだって思えた。自由ってなんだ。私は自由に生きる人への恐怖より自分が自由になることへの恐怖をもってるんだと思った。(今日見たイージーライダーの続き)分からないから、不安だから、真面目だから、普通に生きようと思って。でも普通がすごく難しいことに気づいて、苦しくて。普通に結婚して子どもも欲しいけど、そもそもの自分が分からずうまく進めない。考えれず生きれたら楽だし羨ましいけど、こんなモヤモヤだからこその今も、出会いもあるから、きっと良かった。
これからどうしたいか夢を話す友人を見て、私は何がしたいかもわかんないんだよなと、顔が曇った。夢なんかなくても、自分が苦じゃない仕事をして、休みの日に趣味や好きなことをして生きたい子も、私からしたら立派な夢で。不安定を恐れる私に「不安定でいいし、若いうちからみんな方向性決めすぎだよ」と言う彼女も、私には眩しい存在なんだ。みんな生きてる、それぞれ映画みたいに。きっと外から自分が見れないから、根暗になりがちなんだよな。頭も体も動かして、生きないと。表現しないと。ボーントゥダイだから、死に向かって生きてるから。
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