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Mommy/マミーのpsyencekouのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.0
グザヴィエドラン監督、mommy。
ふと正方形に切り取られた、インスタグラムの世界に気を引かれ鑑賞しました。

この作品は珍しく正方形にトリミングされた、インスタグラムのような世界で物語が進行します。
アスペクト比が狭い分、
主人公がADHDという問題を抱え、母がものすごく生活と葛藤するように、全体を通して、ものすごく窮屈な印象を受けました。

女友達を引き入れ、三位一体となった瞬間、
画面は拡張します。
しかしそれは見かけだけの心の解放。
すぐにインスタグラムの世界へ。

この画角はどうしても自分たちだけという殻に閉じこもる印象を受けます。
3人だけの世界、現実逃避。
他者と隔離した世界、画面の両端の他者を切り落とす必要がある人生。


ただ単に、愛することだけが愛じゃないことを、母、mommyは知っていました。
クライマックスはそれを物語っており、

母と子が一体になることがすべての愛ではないこと、
自立させることが母親の役目。
mommyという題名は全てを物語っています。

内容以上に深すぎる話の印象を受けた映画でした。
パステルカラーの色使いがまたこの閉鎖された世界を際立たせており、
グザヴィエドラン監督の世界にかなり引き込まれました。

一見の価値ありだと思います。
素晴らしい映画でした。
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