ネブュラー

Mommy/マミーのネブュラーのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.7
アスペクト比が見せる現実と希望。やはり、特異なのはこのアスペクト比の変化でキャラクターの心情や、観客の物語に対する願望にさえ掌握していく演出。
ひとときの安心を与えてくれたと思ったら、また災難。厳しい現実を突きつけられ、突き放され、親が子供に対して感情的になるように、細かいテンポで一喜一憂を繰り返される。そして、たまに広がる視野、希望に満ち溢れた始まりの予感、グーっと広がる思考や感覚。長くは続かないものなんだけど、その瞬間最強になれる。リアル、妄想を交えながら、ふつふつと溢れ出す希望、あるいは願望を視覚的に表現したアイデアだけでもエクスタシーを感じるが、絵、色彩、キャラクターの個性、1:1の画面にすると濃厚すぎる。
シークエンス一つ一つに魅力があり、キャラクター1人映るのでさえ精一杯の1:1アスペクト比が切り取る一人一人の切実さ。描きたいこと、表現したいことが溢れ、そこに生きたキャラクターの衝動も加わり、爆竹的途切れ途切れの爆発がそこら中で起きている。親子の愛情、葛藤という表現以上に、原始的な生々しい感情のぶつかり合い。激しい作品だ。