Mommy/マミーの作品情報・感想・評価

Mommy/マミー2014年製作の映画)

Mommy

上映日:2015年04月25日

製作国:

上映時間:138分

4.0

あらすじ

「Mommy/マミー」に投稿された感想・評価

グザヴィエ・ドラン、締めの一本!

素晴らしい!
やはり容赦なく観ているこちら側に流れ込んでくる感情。耽美なドラン芸術に目と耳と脳が酔いしれる。

"発達障がい児の親が経済的困難や身体的、精神的困難に陥った場合は、法的手続きなしで入院させる権利を保障する政策"=S14法案が成立した、とある世界のカナダが舞台。
ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されたスティーブ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)と母ダイアン(アンヌ・ドルヴァル)、そして向かいに住むカイラ(スザンヌ・クレマン)による母と子の愛と親愛なる隣人との友情の物語。

ドラン作品ではお馴染みのアンヌ・ドルヴァルとスザンヌ・クレマンの安定した演技力。特にスザンヌは、「わたしはロランス」と違い、心に傷を負ってうまく言葉が話せなくなってしまった教師役を抑えた演技で好演。主演アントワーヌ・オリヴィエ・ピロンの純粋で繊細でありながら、尖っていて荒々しい演技にも惹き寄せられる。

従来のドラン作品の様に、色で、アングルで、音楽で、台詞で攻めてくる手法には相変わらず舌を巻くが、今回は画角でも攻めてくる。

1:1の正方形の画角。曰くキャラクターの内面に迫るべくフォーカスした形がこの画角との事だが、狭い画面は彼らの抑圧された現状を表す。

暴力的になると手がつけられなくなるスティーブは問題を引き起こすばかりで、ダイアンはお金も仕事も全てを犠牲にして彼を育てて来た。しかし、どうにもならない現実。カイラとの出会いがもたらす、ささやかながらも確かな幸せ。

そこで流れるWonderwall(oasis)!
このシーンが間違いなくこの映画を傑作と言わしめる瞬間!
スティーブにより押し広げられた画角。
それは自由。
自由の風を浴び、疾走するスティーブ、ダイアン、カイラ。そして空の青さ。もう、鳥肌が立って仕方がない!

幸せな時間は長くは続かない。また現実に抑圧される日々。

それでも、母親の愛は永遠に続くし、「過去はクソで、未来をわし摑め」とこの映画は僕らに希望を与えてくれる。

とことんまで優しくて、楽しくて、辛くて、悲しくて、暴力的な愛の映画でした。
たかこ

たかこの感想・評価

4.2
1.15 授業にて

『たかが世界の終わり』を鑑賞した時に感じた、ドランの持つ世界に対しての陰鬱な印象が後味悪く残っていたから、はじめは少し不安な気持ちで講義室の硬い椅子に座っていた。(フランス人ってみんなこんな風に怒鳴ったりヒステリックになったり互いに唾を飛ばして罵倒し合うのかな‥)と良くない偏見を抱きそうになりながらフランス映画では見慣れた暴力的なまでの口論シーンを見守っていたら、この親子の口論はひとつのコミュニケーションのかたちを取っていることがわかりホッとした。
しかし、物語が進むにつれてその口論も掴み合いの喧嘩も一時的な癇癪も総て「ああまたやってるよ笑」では済まされない、決定的な出来事へ繋がっていたことに気が付き、勝手に安心してお気楽な気分でいた自分が途端に恥ずかしくなった。みんなにとって『なんてことない』事象でも、誰かにとっては『重大な』事象になり得るって、そんなの分かりきっていることじゃあないか。

わたしはこの世の愛というものの大部分を信じていなくて特に恋人同士の間で交わされる揃いの指輪や誓われる愛の言葉ほど無価値なものはないとさえ思っている。
けれども、わたし個人の経験の中で、誰にも揺るがすことができず最も強く失われることのない愛というのはつまり母からの愛であり父からの愛であり祖母からの愛であると思うのだ。わたしが彼らを嫌悪し憎悪し裏切る未来が来たとしても、彼らはわたしを愛してくれると思う。それはまさしく紛れもない、無償の愛というもので。
別に家族愛が絶対だと主張したいのではない。家族とか血縁とかそういうものは信じていないし、わたしが愛されたように将来自分の子供に還元しよう、愛のある家庭を築こうなんて微塵も思っていないのだから。
けれども、ここで言いたいのは、そういうわたしの面倒くさい感情やら理屈やら世間やらそういうもの総てを無視して、母や父や祖母の、わたしに対する愛は優先されているということなのだ。
Mommyで述べられていた、愛とは、こういうもののことを言うのでは無いだろうか。総てに優先される愛、自己犠牲が素晴らしいのではなく対象を無償で愛するというその覚悟こそが愛の現れなのだ。
この世界に残された希望はわずか
けいと

けいとの感想・評価

3.8
重度発達障がい児のスティーヴと、その母親ダイアンが、どう生きるか。
発達障がい児の親が、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障する法律が可決された架空のカナダでのおはなし。


美しい映像と素敵な音楽とのリンク、
アスペクト比1:1の正方形の画面の中ですすむ物語、
人の顔がぼやけたり、突然音が遠ざかったりする不思議な映像効果、
と、この映画を語るのに多く意見されるであろう工夫たちは
素敵な映画にするための創意工夫なんかでは全くなくて
グザヴィエドラン彼自身にみえている世界そのものなんだろうな、と思った。

画角が狭いのは、それだけ彼が世界を窮屈に感じていて
且つものすごくひとの表情だけに焦点をあてて物事を捉えているから、のように感じたし、
わたし自身もADHDだから、人の顔がぼやけたり、音が遠ざかったりして感じるのは、経験がある。


ものすごくつらいシーンなのに、ものすごく美しく描かれていて
その分、事実以上にとっても悲しく感じました。

あとこれ、母親のダイアンも相当にADHDだしアスペだと感じたのだけど、ほかの方のレヴューみててもそう書いてる人は見当たらなくて、どうなんだろう。
私の思い込みかしら。

救いもないけど、絶望もなくて、つらいことといいことがだらっと続くのが人生なのですよね。
そんなことを突き付けられたような気がして、わたし自身この先生き続けるのがしんどくはなったのですが。。
おもしろい映画、だいすきな映画、というかんじではないけど、
本当に観てよかったし、人生でもう何度か観たいなと思う映画でした。

ラナデルレイのBorn to dieのdieは「死」であり「母ダイアン」なのだと気付いた瞬間は、まるでそのふたつの意味が殆どイコールだと言っているようで、それが一番つらかった。
Y

Yの感想・評価

3.7
グザヴィエドラン最高!
marie

marieの感想・評価

4.4
Wonderwallのシーンで10000点
gigigi

gigigiの感想・評価

-
画面の使い方や廊下と心情の変化とシンクロしてるだとかなんとかってのは監督自身のミニドキュメンタリーや色々な人たちが腐るほど褒めちぎっているので、ものっすごい素朴な質問、ダーク×ダークであんなに白金の子供産まれるんだ?!記録
あやか

あやかの感想・評価

4.0
母と息子の、苦しくて優しい愛情がずしんと突き刺さる。

映像の画角が正方形になっただけなのに、
ぐっと見える範囲が狭まるからか、
本当に自分の視線で捉えているような感覚になる。

あるシーンで正方形から長方形に広がった画面を見たとき、ぐっときた。
画の切り出し方っていうのかなあ、
とてもよかったな。

こんなにも全力で、同じ目線で
子どもにぶつかっていく母親、すごい。
uedmcy

uedmcyの感想・評価

4.8
いやー、良かったです。
実は初ドランだったのですが、他のやつも見てみようと思いました。映像と音楽のセンスが半端ない。
物語と音楽の盛り上がりと一緒に自由自在に広がるアスペクト比。映像表現としてとてもよかった。

どんなに愛していても、愛だけではどうしようもない時は本当にある。うちでもそうでした。。
そうした行き場のない家族愛の葛藤が本当によく描かれてる。
終わり方もなんだかよかった。一瞬でも、現実から振りほどかれる自由を感じて。

お母さんの答えは、いつでもあの首のネックレスにあるよね。
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