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あの日の声を探してのharuのレビュー・感想・評価

あの日の声を探して(2014年製作の映画)
3.5
ロシアが完全に北朝鮮に見えてくる戦争映画。

本作は、チェチェン紛争で家族を失った少年ハジとEU職員キャロルの交流、そしてハジの両親を殺したロシア兵の二つのストーリーが同時進行。
前者はハジの可愛さとキャロルの苦悩が泣かせるありがちドラマとなっておりますが、わかっていても泣ける。赤ん坊の弟の泣き声を聞きつけたロシア兵が部屋に乗り込んできたときのハジの恐怖はどれほどのものか。チェチェンでは両親のいない子供は珍しくなく、自力で生きていかなければならない子供たちがたくさんいる。そんな彼らを救いたく日々奔走しているキャロルの声は、世界に響かない。世界の平和の鍵を握るお偉いさん方は、実は世界の平和に関心がない。戦争は絶対になくなることはないんだと心底残念に思いました。
もうひとつのロシア兵の話は恐ろしすぎました。イマドキの若者が突然強制入隊させられ、初めはドンびきしていた軍隊にどんどん洗脳されていきます。これ、平和ボケしている日本人だって戦争になればマシンになれるってことじゃないですか。愛国心なんか必要ないです。「力ある者こそ強者」な世界では、気づけば人を殺せる自分はかっこいいと勘違いする。怖いのは誰でもそうなれるということです。今は戦争反対!って思っていても、いざとなったら大半の人が人を殺し、それを正当化するようになる。
自分には関係ない話、ではないと思いました。