LalaーMukuーMerry

禁じられた歌声のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

禁じられた歌声(2014年製作の映画)
3.7
サハラ砂漠の内陸国マリの古都トンブクトゥは世界遺産にもなっている町。2012年、イスラム過激派が一時ここを支配した。彼らが勝手につくった法律によって、それまでの伝統的な生活や自由が奪われていった様子を描いた作品。
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タバコ禁止、音楽禁止、サッカー禁止、靴下と手袋の強制…、違反した者にはとても裁判とは呼べないような裁判で罰や処刑が決まっていく。昔からあるイスラム寺院の修行僧が抗議をすると、彼に対しては過激派も敬意を払って対応するのが興味深かった。
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性欲に勝てない支配側(過激派の一味)の男が、ある家の娘を娶ろうと母親に申し出るが断られる。すると強硬手段に出ると宣言して自分のものにする。言っていることは恐ろしいのだがその場は至って静かな話し合いなのが薄気味悪い。その後、修行僧が抗議しても、この結婚は正当だと受け付けない過激派のリーダー達。その無茶苦茶な論理に呆れる。
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ニジェール川のほとりで牛飼いをしている一家と、川で漁師をしている一家の間で起きたトラブル。放牧中の一匹の牛が定置網にかかってしまったことがきっかけで起こった事件が、過激派が支配していた時代だったために、異常な速さで裁判が行われ処刑が実行されてしまうという悲劇がメインのストーリー。だけど、生活習慣や感覚が日本とずいぶん違うので、正常だった時代ならどう処理されたのか想像さえつかない。過激派が支配する前の平和な時代の様子も対比して描いてほしかった。