こんろ

サンドラの週末のこんろのレビュー・感想・評価

サンドラの週末(2014年製作の映画)
4.0
気になってたダルデンヌ兄弟の作品。従業員に投票を強いる会社に振り回される話。
投票内容が「鬱で休職してた女性の復帰」と「全従業員のボーナス」。いやいやいや、どんだけクズですか。
いきなりの絶望オープニングから、ミニマムのコミュニティを渡り歩くことで見えてくるリアルな問題。従業員16人、それぞれに人生があり、様々な主張を抱いている。
フランス人が観たら、フランスの縮図の様に思うのかも。日本も似たり寄ったりですね。
賛成派も反対派も、自らの心をぶつけてくれるので気持ちいい。しかし本人には辛いだろうな。サンドラの心折れる感情が響く。
ラストの社長の決断に、最初からそうしろ!と思ってしまうが、触れ合う心が無ければあの清々しいエンディングはなかったし、成長と繋がりがテーマかなと思う。
音楽の演出に頼らない無骨とも言える作品。人生が生々しくて素敵でした。良かったです。