翔

雪の轍の翔のレビュー・感想・評価

雪の轍(2014年製作の映画)
4.0
「日本的」な流れならば男は鼻先で笑って余裕ぶり、女は愚痴って見下して。で終わる内容かもしれない。ガキじゃないんだし、と片付けず本音と本音をぶつかり合わせて相手より一枚でも上を取ろうと美辞麗句に罵詈雑言で畳みかける。“沈黙は金”とされる日本では余りに見かけない『無駄』な舌鋒争いにシビれる映画。

だけどあえて言うならば内容は全くもって立派でもなんでもない。自分が正しく相手が間違っていることをひたむきに信じて互いを罵り合う、知性でコーティングされたクソガキの喧嘩といっても良いとさえ思う。

人によってその目にどう映るかは確かに変わるだろうが、圧倒はされるはず。迷わぬ口撃が素晴らしいとか、無駄だとかいった文化的な比較はするべきではない。ただどこかで心に引っかかる、もしくは心当たりがある感覚にはなるはず。

申し訳程度に映画的なレビューを一つするなら同じ人物の連続したセリフとセリフとを繋ぐ間、聴き手の反応や表情をあえて写さずそのまま同一のシーンとして語り手を撮り続ける。この手法は本作にこれ以上なくマッチしていると強く感じた。