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雪の轍のmareのレビュー・感想・評価

雪の轍(2014年製作の映画)
4.0
自分の中でレビューしづらい監督のトップの座に君臨しているヌリビルゲジェイラン。前2作が不穏なサスペンスだったから腹を括ってみたもののテイストが様変わりしまたしても困ったことになった。これはすれ違い交わることのない感情の物語。はっきりと全貌を見せない作風だと思っていたから、露わになった人の感情を主題にしたのは拍子抜けした。ただの叙事的な物語として観てもいけないし、よくあるアート系映画のような哲学めいたことを真に受けてもいけないような気がする。結局人間としての普遍的なテーマで落ち着くのだけど、それだけで見過ごしていいものだろうか。観たままが全てなんだけどそうもいかない、かと言って考察するのも野暮。こういうことを思わせる映画は初めてかもしれない。
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