ダンクシー

アメリカン・スナイパーのダンクシーのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.4
「お前は兄弟同然だ。この仇は討ってやる」

実在したアメリカの伝説の狙撃手クリス・カイルの物語。敵ならば、武器を持っていれば、女だろうが子供だろうが殺さなければならない。殺し合いのため当然大切な仲間たちも死んでゆく。そして戦地での日々はクリスの精神を蝕んでいく。

「俺は蛮人どもから仲間を守っただけ。なぜ奴らを殺したか神に説明できる」

家族は大切だが、戦いを優先しなければならない。祖国を守るために、敵を討つために。軍人としてのプライド。本当に俺らには絶対分からない感情だけど、俺は彼らみたいに強い人間には絶対になれないと断言出来る。だからこそ凄く尊敬してるしカッコイイと思うし、バカにすることなんて出来るはずがない。

序盤のシールズになるための訓練での罵倒の数々が面白い。肉体的にも精神的にも屈強でなければ戦士にはなれないと。。。怖いねぇ〜!フルメタルジャケットを思い出した。と思いきやフルメタルジャケット内の歌を歌ってるシーンがあったしリスペクト込めてオマージュしてるんやなって気づいた。
しかし、楽しいのは最初だけ。徐々に戦況は悪化していく。戦争の生々しさや恐ろしさは勿論、全ての兵士に家族がいるという事。派遣中は会えない、いつ死ぬか、戻ってくるかも分からない。そんな不安の中待ち続ける家族の苦悩、敵を倒し家族の元へ生きて帰らないといけないという兵士の使命。戦争だと死というものが単位となるが、一人一人の命は重い。やはり戦争ってのは醜いね。。

イーストウッドの作る会話劇、というかジョークがユーモアと皮肉たっぷりで大好き。面白い上になんかカッコイイんだよな〜!

エンディングで流れる写真の数々。堪らず涙がこぼれてきた。どんな英雄だろうと、人間誰しも最期は案外呆気なかったりする。全ての軍人に敬意を。R.I.P.
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