ヴェルヴェっちょ

アメリカン・スナイパーのヴェルヴェっちょのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

再鑑賞
クリント・イーストウッド監督が、戦争映画でも傑作を生み出しましたね。

米軍史上最強と謳われた狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝をクリント・イーストウッド監督が映画化。 米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、イラク戦争の際、その狙撃の腕前で多くの仲間を救い、「レジェンド(伝説)」の異名をとる。しかし、同時にその存在は敵にも広く知られることとなり、クリスの首には懸賞金がかけられ、命を狙われる。数多くの敵兵の命を奪いながらも、遠く離れたアメリカにいる妻子に対して、良き夫であり良き父でありたいと願うクリスは、そのジレンマに苦しみながら、2003年から09年の間に4度にわたるイラク遠征を経験。過酷な戦場を生き延び妻子のもとへ帰還したものの、彼は拭えない心の傷に苦しむことになる。

160人以上の敵を射殺した「レジェンド(伝説)」クリス・カイル。しかし彼の心は無事ではいられなかった。 妻タヤ(シエナ・ミラー)の制止を振り切り、4度もイラク派兵に応じたクリスは、戦争に取り憑かれているかのよう。帰国して家にいるときもうわの空。 そんなクリスの心の動きをブラッドリー・クーパーが見事に体現。 戦争が兵士の心を蝕む映画はさして珍しくはないかと思いますが、この作品がそれだけに留まらないのは、彼の巧みな演技に負うところが大きいように思います。 そして、戦争のもたらす犠牲が、兵士だけでなく、家族や周囲の人たちにも及んでいる様子が描かれた映画。


前回レビュー2018.5.16
クリント・イーストウッドが放つ、実話を基にした戦争アクション。

米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊し、イラク戦争に狙撃手として派遣されたクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。狙撃精度の高さで多くの仲間を救ったクリスは“レジェンド”の異名をとる。
しかし、敵にもその腕前が知れ渡り、彼の首には18万ドルの賞金が掛けられる。
一方、家族はクリスの無事を願い続けていた。
終わりのない戦争へクリスは四度も駆り出される。度重なる戦地への遠征は、彼の心を徐々に蝕んでゆく…。

天才というと、常人では及びもつかない世界に生きる人、というイメージがつきまとう。クリス・カイルは周囲から“レジェンド”と呼ばれるとおり、まさに孤高の「天才」。 しかし、英雄視すればするほど、周囲との距離はかけ離れ、互いの理解が難しくなっていく。
彼が度重なる出征で精神をかき乱されていく様は、天才も凡人もない、人間らしさの裏返しではないか。