たけちゃん

アメリカン・スナイパーのたけちゃんのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.5
心も帰ってきてもらいたい!


クリント・イーストウッド監督 2014年製作
主演ブラッドリー・クーパー


「スナイパー映画にハズレなし」
先日マーク・ウォールバーグ主演の「ザ・シューター」を観て、スナイパー映画ってハズレないなぁって思ったんですよね。それで、この名前でタグ付けして、ちょっと他にも観ようと思いました( ¯−¯ )フッ

まずは、今作「アメリカン・スナイパー」
これはズシッと来ます!
「ザ・シューター」のような爽快感を期待すると、痛い目にあいますよ( ̄▽ ̄)
クリント・イーストウッド監督作ですからね。
戦争が人を狂気に染めて行く様がまざまざと描かれていました。
ですが、「地獄の黙示録」とは違い、そこからの帰還法も。だからこそ、ラストが切ないの( ᵕ_ᵕ̩̩ )


これはほんと辛い!
なんせ実話ですから(>_<)
原作はこの作品の主人公であるクリス・カイルが書いた「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」。

スナイパーとなるクリス・カイルが書いた自叙伝に基づいているので、幼少時の姿とかも書かれていますが、映画の製作進行中に彼が亡くなってから、映画の核や描き方が変わったようです。


戦地に赴き、任務で人を殺し、そして、家庭に戻り、家族を抱きしめる。その異常さに震えます。そんな生活、あります?
だから、次第に心が病んでいく様子が、否応なく伝わってきます。まともな人間が、まとものままでいられるわけがないんですよ。



9.11以降のアメリカが、正義の名の元に行った戦いなわけですし、クリス・カイルの最初の動機もそうなんです。戦地に生きがいを感じ、国に戻っても心ここにない。
けど、次第に変わっていくんですよね。
家族から離れる心。
仲間の死、弟の苦しむ姿。
自らもPTSDに苛まれ、苦しむ日々。
そうした事実を描くことで、これ以上ない反戦映画にもなっていました。素晴らしいです!



あと、音が凄いなぁ!
できれば劇場で、IMAXで観たかったなぁ。
調べたらアカデミー賞音響編集賞を受賞しているんですね。納得です!
そして、エンドロールで無音になる演出は凄い。
観終わったあとの余韻が胸に染み込んできます。


また、ブラッドリー・クーパーも見事な演技でしたね。体重も増やし、クリス・カイル本人に本当に似せていました。


戦争映画ではあるけれども、僕が普段好む、楽しい娯楽作品とは真逆の映画でした。あの傑作戦争映画「Uボート」に匹敵するラスト。戦争の無常観を描いた傑作です。「スナイパー映画にハズレなし」
ぜひ、その目に焼き付けてください( •̀ω•́ )و✧