おけい

アメリカン・スナイパーのおけいのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.9
イラク戦争の伝説的スナイパー、クリスカイルの真実の物語。

余談だがイラク戦争というと自分の銀行時代を思い出す。前の前の職業が銀行員だったのでお客様の資産運用のご相談を受けることもよくあったのだが、その中でも特に印象に残っているお客様はイラクに派遣されたという自衛隊員の方だった。イラク派遣で高額な報酬を得たので◯千万円預けたいという相談だった。

派遣先は非戦闘地域の復興支援活動であったというが、どこで何が起こるかもわからない状況下で精神的にやられた隊員も多かったという。全員無事に帰還したものの、実際その後精神を病み多数の自殺者を出しているとか…。

その高額報酬が自衛隊員の命の重責の対価として適当かどうか、銀行員であった自分にはとても判断がつかなかったし、言葉も見つからなかったのを覚えている。戦争の残す爪痕はいろんなところに存在し、そしてとても大きいと感じた。

本作はまさに自身も戦争の爪痕に苦しみ、苦しむ人々を助けようとした勇敢な男の生き様だ。無駄な脚色は一切省き、事実だけを綴った重厚で非常に骨太な作品だった。20キロ近く体重を増やしてクリスカイルになりきったブラッドリークーパーも素晴らしかった。

最後のエンドロールが無音で、その無音状態が逆に観るものに何かを語りかけてるように感じた。