Harumakiさん

アメリカン・スナイパーのHarumakiさんのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.8
【米軍史上最多、
    160人を射殺した、
        1人の優しい父親。】

この映画は戦争の風景や人々の感情、その全てが生々しく、そしてリアルに描かれておりずっと心臓がバクバクしていました。
戦場でのジョークがとても多いように思えましたが、あんな場でのジョークは全く頭に入らないし、緊張で胸がいっぱいでした。それに加えて、戦争などはSFなどで多く拝見してきましたが実話に基づいた話なので比べ物にならないほどの臨場感を感じました。
僕は「映画」として戦場を見ています。視聴をしているだけなのに、それだけなのにとても見苦しく、気がもたない。
それに比べると、あの悲惨な現場で戦っていた軍士は本当に本当に勇気ある志だったと思います。
作中でもあったようにあんな場で気が狂わない人間などいないと思います。そんな状態で日常生活を戻した、そして仲間と共に戦場を潜り抜けたクリスは、本当にアメリカの誇りだと思います。
臨場感や緊張が続いた日からの帰宅でも、どれが現実でどれが非現実か分からなくなると思う。映画の最後にもあったように、戦友がクリスに起こした出来事は、戦争による心の被害がどれほど大きなものかを物語っていたんだと思いました。レビューの初めにも書いた通り、緊張感であふれている中でのジョーク、スナイパーを構えながらの妻との電話、あれが普通なのかな。
僕が思うにあの行為も戦場にいたせいで感覚が鈍っているだと感じ取られました。
特に心が影響されたものが子供の扱いです。もう思い出しただけでも吐きそうになる。それほどの影響力でした。善悪の区別もつかない子供に戦わせるというこの世界が最も悲惨だね。
僕は他国の戦争など、知識がとても薄い。
戦争から帰ってくるのにも命がけ、そして心を連れ帰ることにも命がけ。どんなに知識が薄くともこれだけは言えます。
どんなことにも命をかけ、そして今後のために想いを注いだクリスや兵士たちは、本当に素晴らしい人間でした。
あんな理不尽な殺し合いや、残虐で悲惨な風景、こんな中で戦っていた「伝説」が、数多くいたんだと気づけました。
この映画は、改めて映画の素晴らしさを感じさせられた、実話に基づいたメッセージ性の高い映画でした。

レビューって見てきたことが一気に蘇るからいいよね
Harumakiさん

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