ダイヤモンド

約束の地のダイヤモンドのレビュー・感想・評価

約束の地(2014年製作の映画)
2.0
原題は”ハウバ”_。
豊穣と幸福の地のこと。ただその楽園にたどり着いた者はいないと。

19世紀、アルゼンチン・パタゴニアで原住民掃討戦に従軍していた大尉。その野営中、愛娘インゲボルグが若い兵士とともに駆け落ちしてしまう。慌てた大尉は戦地であるにもかかわらず、一人捜索の旅に出る。

父としての諸々の感情を抱いて旅する大尉の姿と、その情景である荒野や原野、岩場といった不毛の大地が映し出される。幻想的であり、時に時空の捻れにでも迷い込んだかのようなシーンもあって、観る者を魅了する。

特に起伏のないストーリーだけど、最後の最後に驚きが待っている(しかもかえって謎が深まる)。観る人それぞれの解釈がある映画。

さてそこでわたしの解釈_。
ハウバとは、究極の家族のようなものではないかと。
大尉も理想の家族を抱いている。でも人は皆それぞれ違うから、彼が思うままに縛ることはできない。娘が去ったのもそれゆえ。どうしようもない宿命。それを受け入れられない大尉は危険を承知で原野に出る。死出の旅になるとは知らず。

とはいっても、意味とかテーマとかは考えずに、感じるままに観るのが良いと思います。