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ナショナル・シアター・ライヴ 2015「フランケンシュタイン」のiollyのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「お前に愛が何なのか分かるのか」



同時上映、本当にありがとうございます。
続けて観ると違いが分かるので、とても興味深かった。


【前半 / 怪物主体のストーリー】
初めて見る世界に感動したり、自分を受け入れてくれる人の優しさを知る。
しかし、醜い姿のせいで拒絶され、怒りに任せて殺してしまう。
そして「何故自分が生まれたのか」を問うため博士に逢いに行く。


【後半 / 博士主体のストーリー】
初めて生きて成長した怪物と出会うが、無茶な願いを受ける。
「自分と同じような伴侶がほしい。」
煽てられ、婚約者を放り出してまでして願いを叶えてしまう。
だが大きな誤りと気づき、裏切ってしまう。怪物は怒り、同じ目に合わせるため婚約者を狙いに行く。




■ミラー怪物×カンバーバッチ博士版
→我が子からインスパイアを受けて演じたとのこと。

全体的に活発な動き。
成熟した脳と未発達な体のアンバランスさが際立つ。
口が脳に追いついていないので、つっかえたり一語一語をしっかり話す。
感情が豊か。
表情をあまり出さない博士の本当の姿を表しているよう。
(エリザベスが殺された後の狂い方がそっくり)


■カンバーバッチ怪物×ミラー博士版
→リハビリする患者からインスパイアを受けて演じたとのこと。

ひとつひとつ確かめながら学習しているような動き。
脳と体の発達が同じ速さなので、比較的人間に近い。
人に拒絶されると暴力的になり、さも当然のような冷酷さをもつ。
(博士も愛する人に対して全く興味を示さず仕方なくやってる感があるので似ている。でも、愛し方は怪物の方が真っ直ぐだ。)



▷個人的にはミラー怪物×カンバーバッチ博士が好き。
ミラー博士も好き。



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□印象に残るセリフ
「彼は何もしていない‼︎なんてことを‼︎」

「どうしてそんなことを…」
「…完璧な人間が作りたかったんだ」
「そんなことなら早く結婚してくださったら…‼︎」

「おれに愛を教えてくれ」

「死ぬのか博士。あなたが死んだら独りぼっちになってしまう」

「…先に行け、地の果てまで追いかけてやる」
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