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365日のシンプルライフのmemoのレビュー・感想・評価

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)
3.8
彼女にフラれたショックで物をたくさん買うようになった男性が物に溢れた部屋に嫌気がさしたことをきっかけに「持ち物をリセットする実験」を始める。その実験の様子やペトリの心境の変化などを映したドキュメンタリー。まずこういう突飛なアイディアを思いついて実行してみる行動力がよい。いろんな経験をしてみるのは純粋に楽しそう。

荷物をすべて倉庫に預けて空っぽになった部屋と素っ裸の男性、というオープニングが思い切っていて画的にも実験的にもおもしろい。服もまったく持たないところからスタートするとは思わなかった。裸で雪道を駆け抜ける姿もよい。一年間、持ち物はすべて倉庫に預け、一日一つだけ物を持ってこられる、そして一年間物は買わない、というシンプルなルール。スマホを持たず、友人との連絡で多少不便な場面も出てくるけど、別になくてもものすごく困るわけではないからいらない、と話していたり、でも友人はスマホを持っていてほしいと思っていたり、という差がおもしろかった。持ち物は自分だけの問題というわけにもいかず、社会と繋がってる部分がある。結局、スマホは手に入れてた。気になる女性との関係性上、自転車や冷蔵庫が必要になり、「買えばいいじゃん」が通用しないので、一つ一つ真剣に、どうしたらいいんだと悩んでる姿がよかった。最後に彼女とのラブラブエンディングになるのはちょっと笑ってしまったけど。

わたしは好きなものに囲まれて過ごしたいから、断捨離したいという思いはあまり持ってないけど、自分に本当に必要なものや持っていたいと思えるものを見極めることは大切だなぁ、と思った。つい物を集めがちだから、なおさら。人生の相談相手でもあるおばあちゃんからの「なにが必要かは自分で見極めないと」「物はただの小道具」という言葉や、実験を終えてのペトリの「生活に必要なものは100個ぐらい。次の100個は生活を楽しむため」という感想が印象的だった。
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