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365日のシンプルライフのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)
2.9
失恋をきっかけに溢れるモノに囲まれても幸せを感じなくなった26歳男性が、所持品を全て倉庫に入れて1日1つだけ取り出せるというルールで365日間生活し、本当に大切な事に気が付くドキュメンタリー映画。主人公がミニマリストとして極端だと感じるが、メッセージは伝わるし心に留めておこうと思った。(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

藤岡みなみ著「ふやすミニマリスト」を読んだ。内容は自宅とは別に新しく家を借りて、所持品をほぼゼロでスタートし1日1つだけ道具を取り出せるというルールで100日間生活してみるというもの(下着とか最初の服、コンタクトやマスクなど初期装備だけはOK。食料購入はOKだけど調味料はカウント。調理器具はもちろんカウント)。モノが溢れた生活をしている中で、本当に必要なものは何か等、考えてみようという実験のような企画。何もない部屋に1日1つずつだけモノが増えていく。私自身は全くミニマリストではないのだけど(買い物大好き😍)、知識としてそういう類の本を読むのは好きで、本作は実験の記録とその感想みたいな内容で、ミニマリストの生活を押しうるような感じはなく読みやすくて面白かった。

この企画について、作者が映画「100日間のシンプルライフ」を観て自分も実践しその内容をまとめたと記述あったので、映画の方にも興味があって「100日間のシンプルライフ」をマイリストに登録。ところが見ないで放置していたら配信終了をしたらしくU-NEXTから消えてしまっていた😭仕方がないので、「100日間のシンプルライフ」の元になったという今作「365日のシンプルライフ」を先に鑑賞することにした。「365日」の方はドキュメンタリーになっている。

元々モノが大好きなのだが、失恋をきっかけに、溢れるモノに囲まれても幸せを感じなくなり、モノに支配されていると感じたフィンランドの26歳の男性が、幸せを見つけるために実験を始める。

≪実験のルール≫
・持ちモノを全て倉庫に入れる(本当に全て。下着や最初の服等の初期装備もなし!)
・持ってくるのは1日1個(1日1つずつ部屋にモノが戻るという感じ)
・1年間続ける
・1年間何も買わない

家のモノを全て倉庫にいれるので、もちろん服もない。全裸につき、初日に彼が取り出したのはロングコート。ボタンを留めてしまえば、外出しても中に服を着ていないことはばれないし、コートの袖に足を入れてボタンを留めれば寝袋みたいになる(寝具ももちろんないので)。そんな状態からスタートとし、彼が何を倉庫から取り出し、どのような心境の変化を経ていくのかが描かれていく。

映画自体が面白いかというと、率直な感想として面白くはなかった。ドキュメンタリーだし、主人公がミニマリストとしてはちょっと極端だと感じる男だった(少なくとも私の中では限度を超えていて鼻につく😂)。一人で閉じこもっているなら好きにしていいけど、家族と住んでいなくても仕事は他人とするわけだし、人間の尊厳の問題として(例えばロングコートの下に何も着ていなくても問題ないとか、何日も歯磨きで歯を磨いていないとか)良いわけなくない?みたいな行動や理念を連発する。特に前半は、モノに対して自棄になっている厄介タイプにしかみえないので共感性が低い。周りの人間に恵まれているようにみえ、どちらかというと、精神的に追い詰められた主人公の実験=治療みたいな感じさえする。それでも、参考になるようなメッセージはいくつかあった。「人生はモノでできていない」ちゃんと手帳に書き留めておきます。

ミニマリストに興味がある方や、最近周りにモノが多くて困る…断捨離したい!みたいに考えている方は一見してもよいのでは😄

ただ、正直、同じ内容なら、試みとしてはもう少し緩やか(つまり裸のスタートや家族との連絡手段などまで制限することは現実的ではないとすること)で、保管庫からの持ち出し物の順序からその理由が書かれている派生書物の「ふやすミニマリスト」の方が納得もいったし、面白かった🤔📚

あらら…?本📚の紹介になってしまった。

私が見逃した「100日間のシンプルライフ」も、いつか巡り合わせがあったらリベンジしたい。こちらは本作の「365日のシンプルライフ」を劇映画としてコミカルにアレンジしたものみたいなので!