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365日のシンプルライフのshinoのレビュー・感想・評価

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)
4.0
"人生はモノでできてない"

極寒のフィンランド・ヘルシンキ。人の気配のない深夜の街を1人、全裸で爆走する主人公ペトリ。

失恋してカードで色んなものを爆買い
→モノに支配されかけるペトリ
→倉庫に全てを預け、家も身につけるものも一旦0にリセット
→1日1つ選んで持ってくる生活を1年続ける、その間食料以外は何も買わない
→本当に必要なモノを見極める!
という一風変わった実験ドキュメンタリー

これ、できるものならやってみたい!笑
断捨離とか、モノを持たないシンプルな暮らしとか、ここ数年でものすごく興味が湧いてます!
というのも海外で2年間暮らすことになったとき、行きの飛行機で運べるのはスーツケース2個で23㎏のみ…現地で買えるものもあったけど、ものすごーく悩んで吟味しながて詰めて、結果色々いらなかったなー!って思うモノの方が多くって…

引っ越したり旅行するたびに、"必要なモノ"ってそんなに多くないなーと感じます。"あるといいもの"はいっぱいあるから、その見極めが難しいんですよね。

「お前のやってること全然理解できねえ!」とか言いつつ実験に協力してくれる友人たち、さりげなくアドバイスをくれるお母さん…そして困ったときにペトリが会いに行くおばあちゃん…取りまく人たちが素敵で、映像もオシャレなさすがは北欧映画✨

1日1つといっても、今日のアイテムはコレ!って紹介してくれる訳じゃあないんですね。
最低限必要なモノは7個くらい、50~60個過ぎた頃からもう何も要らないのではと思えてくる。めんどくさいから数日分まとめて取りに行ったり、携帯電話は無くても生活できると4ヶ月間試したあと、やっぱりあったほうがいいなと取りに行ったりするところが、リアルで人間らしくて好き。

外側を着てしまえば、別にパンツも要らないのかふむふむ……どこに行くにもトイレットペーパーがアフリカでは必需品だったんだけど…ペトリはまさか要らない人?と鑑賞中一瞬不安になる。笑

万人に共通するシンプルな暮らしマニュアルなんて存在しないし、国、気候、性別、性格で最初の10個のアイテムもガラッと違うものになりそう!ってのが見終わった率直な感想です。

でも"モノ"に想い出や思い入れが宿ると、それが全く実用的でなくても手放せなかったりしますよね。
ペトリがおばあちゃんのキャンディー入れを持って帰ったのもきっとそういうことで…"人生はモノでできてない"って言葉の本質って、そういうことなのかなーとぼんやり思ったり…
実験中に今何が一番恋しい?って聞かれて、モノじゃなくて彼女ほしい…って思っちゃうところが微笑ましかったり…多分そういうことなのかなぁ…

"必要なモノは100個くらい。
あとは楽しむためのモノがもう100個くらい"
最後に自分の持ち物リストをノートにしたためるペトリ。私もこれを機に持ち物リスト作ってみようかなー。
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