つるみん

VHSテープを巻き戻せ!のつるみんのレビュー・感想・評価

VHSテープを巻き戻せ!(2013年製作の映画)
3.7
映画オタク達によるVHSへの熱い思いが込められたドキュメンタリー。

まず自分の世代から言うとDVD/BD、いやVODの時代なのかもしれない。ただ個人的にはVHSの思い出は強くあり、幼稚園から小学校低学年にかけて毎週土曜日に父親と一緒に近くにあるレンタルビデオショップに通っていたのを今でも覚えている。そこで『スターウォーズ』はじめ『ジュラシック・パーク』や『BTTF』『トイストーリー2』などを何度も借りては観ての繰り返しだった。ただ1番の思い出は『アナコンダ』や『アリゲーター』が置いてある棚の道は怖いから通らないと決めていながらも腕が捥げている裏のパッケージを見ながら不思議な感情になっていたのは今でも忘れない。そしてビデオを借りるとペコちゃんの棒つきキャンディを貰えるのも忘れない。常連だったため毎回サービスで2本くれていた店員さんの事も勿論忘れてはいない。

今これだけ映画が好きなのはここからが始まりだという事も分かっているし、何ならVHS世代だと勝手に自分は思っているくらいだ。気付いた時にはDVDに変わっていたが、本作を観ればそれがいかに重大な事だったかというのが分かる。

自分が本格的にコレクターを始めたのは中学2年生の頃から。その年に『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』が公開されて生まれて初めてIMAXで観た映画がそれだった。その影響もあり、その年の誕生日プレゼントは『ミッション・インポッシブル』の1〜3を頼んだ記憶がある。そこから完全に映画の世界に惚れ込んでしまったのが事実。めちゃくちゃ集めた(笑)
ただ、高校2年の時にNetflixがやってきた。映画好きな子達は皆んな1ヶ月無料体験をしていたと思う。それから大学生になりHulu、U-NEXT、dtv、Amazonプライム・ビデオなどで楽しんでいるうちにすっかりDVD/BDを集める癖はなくなってしまった。今ではそういったVODで配信されてないDVD/BDを集めるようにしている。

レンタル屋さんに借りにいく事もVODが基準。配信されてなければ借りにいくという映画ライフを送っている。だいたい渋谷のTSUTAYAに行けば揃っているのだが、ここで悔しいのがVHSのみレンタルされているという事。DVD化されていない事に怒り、まるでVHSが悪いかのように遇らう。せっかくの再会なのに…。自宅ではデッキがないので再生できない、前まではあった近くの図書館にも置いてない、カラオケもDVD/BDだったらというお店がほとんど。


映画界における〝生きた化石〟はこのまま本当に絶滅してしまうのだろうか。そんな嘆きが沢山詰まってるドキュメンタリー作品です。
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