春日部ヒカル

フレンチアルプスで起きたことの春日部ヒカルのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

最高最高最高。こんなに語りたいことが多くて意地悪でかつ拍手喝采したくなる映画久しぶり。

まずなんだろう、出てくる登場人物皆可哀想。
父親は男の自尊心がこれでもかってくらい折られ続け、母親は信じてた人に重大な場面で裏切られ、子供達は両親のギクシャクした関係を察知し、友達カップルは即席セラピストやらされてついに飛び火するし。
しかもこれが全部家族旅行の最中に起こる!なんて日だ!

語りたい場面が山のようにあるけど、
この映画は父親が父親の威厳取り戻し家族を引っ張ってく話しだと思うので父親サイドの話しをすると…友達カップルが部屋に遊びに来て盛り上がる中、母親が突然話し割って雪崩のこと話し始めてから。
近年まれにみる男のメンツ丸潰れ場面。まさに地獄。自分のとと友達の前で自分の腰抜け話されるってあなた…地獄ですよ。父親からみると、奥さんその話しは終わったんじゃないんですか!?延々と終わりのない腰抜け話されて、動物の本能なんたらかんたら言われて、自分のちっぽけさ痛感してもう泣いちゃう。

そして後半なるにつれ男の威厳がどんどん失われてく。
洗面所で嫁がトイレ中、歯磨きしてましたよね。お気づきでしょうか。嫁はおっぱい平気で見せてました。そしてトイレ中です。対して夫。上半身裸だけど下はタオルで隠してるんです…この意識の違い!
故の「くそっ!」ですよ。

男としても父親としても底辺になったとき、なにが残ったか。
子供達ですね。
あの家族ピラミッド。あれはなんなのか?娘が答え言ってました。「home!」

からの、吹雪の中でのスキー。そこで父親は母親を助けだし、父親たる威厳を見せて子供達を安心させる。皆さんが思うように、自分もあれは父親母親グルだったんだと思う。でなきゃわざわざ子供連れて吹雪の中スキーしない。

そしてラスト。ここが一番製作者のメッセージが強い。
不安定に揺れるバス、主人公たち家族はバスを降りるけど、浮気してた若い女性はバスに残って行ってしまう。
これまんま、登場人物達の今後の在り方(人生)ですよね。
浮気症の若い女性は独り不安定な道のりを行くが、主人公たち家族は一歩一歩、共に長い道のりを行く。
登り坂もあれば下り坂もある。平坦な道もあれば険しい道もある。けど一緒に同じ方向へ歩いていく。お察しの通りです。

んで、父親が全員を引き連れて歩くようにみえるラストショット!
パパかっこいい!
しかもタバコ吸って、
「いつものパパじゃない…」
痺れますねここまでくると。

この映画が意地悪だなって思うところは、たぶん見た人全員が考えること。
雪崩に巻き込まれそうになったら、
自分だったらどうするか?(父親目線)隣のこの人だったらどうするか?(母親目線)

友達カップルが喧嘩してたように、そんなん実際の状況になってみないとわかんない。けど、自分を相手を信じるしかない的なね。
そういう置き土産を映画から貰っちゃう。
それ自体、良いお土産だと思う。

まーそんなこんなで1つ言えることは、クレしんのヒロシだったら、なんとかして家族助けてると思うってこと。