ヒノモト

フレンチアルプスで起きたことのヒノモトのレビュー・感想・評価

3.6
「逆転のトライアングル」「ザ・スクエア 思いやりの聖域」「プレイ」と観てきたリューベン・オストルンド監督の2014年の作品。
 
記憶では映画館では観てなくて、WOWOWで一度観たぐらいだと思いますが、今回JAIHOで観直しました。
旧作なので、感想は短めに。
 
家族で冬のリゾートを楽しむ最中、人口雪崩での父親のとっさの行動から、夫婦仲が悪くなり、そこから父親としての復権を取り戻そうとするお話。

雪崩自体は大事故ではないにしても、男性性の弱さ、幼稚さのようなものが垣間見えた時に、母親がどこまで寛容でいられるのかということを、母親としてのあり方と女性としての感性で推し量った時に、価値観の不一致が発生しているということでしょうか。
 
映画の前半は険悪な夫婦げんかと価値観を強要する友人たちへの取り入り方が不毛な会話の連続で、あまり面白くありませんでした。
 
それが中盤以降、男性性の虚勢を取り払っていくことで、その人間としての弱さと父親としての威厳を見せる流れになると、男性であることの辛さと、父親としての見え方の難しさをひしひしと感じられて、面白さを感じることはできました。
 
ただ、あのラストの展開も含めて、謎の演出も多く、どう観たらいいかわからない部分もあり、戸惑いも残りました。
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