最初は小さなトラブルが、雪崩のごとく大事になってしまう……というお話。
この夫婦、どっちもどっち。
雪山の斜面近くのレストランの屋外席で食事をするトマス一家。近くで起こる大迫力の雪崩を鑑賞していたが、その雪崩は勢いを増し客席を飲み込もうとしていた。結果、雪崩はレストランすんでで止まり、事なきを得たのですが、幼い子供二人と妻を残し一人すたこらさっさと逃げ出した夫に不信感が芽生えた妻なのでした。
「雪崩が来てる、パパ怖い！」「いや大丈夫さ、ハハハ」なんて娘に軽い調子で答えていたのに、1人ダッシュで逃げたのは笑いました。
ずっと自分を正当化（？）している夫。いや、正当化するくらいならまだいいかもしれない。
見解だか認識だがが違うから～、とよく分らない理論でうやむやにしようとする夫。ヒートアップする妻。
夫も泣くくらいならなんで弁解の一つでも言わないんだろうと思うんですが、弱さを認められないのも弱さのうちなのかなぁ。
せめて、「そこまで言うことないじゃないか！！」なんて喧嘩が出来ていれば状況は改善したかもしれないのに、黙り込むってのがこの手の妻には一番腹立たしいこと。
逃げた事を腹立たしく思うことよりも、この妻が知りたいのは「なぜ逃げたのか？」なわけで、それが「無心で子供の事なんか考えられなかった」とか「自分だけでも助かりたかった」とかいずれかの答えが返ってくれば「親としての自覚を持ってよ！」と怒ればそれで気は収まる。
しかし、明確な答えを返さない夫の気持ちもわかる。結局のところ逃げたときには何にも考えてなかったんでしょう。頭真っ白け。それでいて正直な彼は、適当な言い訳が思いつくわけでもなく、妻の「なぜ？」に答えられないわけです。だって何も考えてなかったんだから。そこに理由は無い。
それにしても、この話、死ぬまで何かあるたびに「あなたはあのレストランで子供置いて逃げて～」って蒸し返されるやつ（笑）
巻き込まれた友人カップルまで不穏な感じになるのが最高に笑えます。
