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ソウォン 願いのskgcのレビュー・感想・評価

ソウォン 願い(2013年製作の映画)
4.6
これはきついわ。
トガニに匹敵。泣かずに、しっかり目を凝らして見ようと思ってたけどやっぱこらえきれませんでした。

不憫すぎる。不条理すぎる。なんであの子が。なんであの家族がそんな目に?って思ったって仕方がないんだけど思わずにはいられない。

なにを言いたいのか定まらないけど、とにかく見たら辛くなるのは間違いない映画。
けど、ソウォン/願いというタイトルに込められた意味を痛感させられる映画。
ごく普通の家庭に突然ふりかかった残虐極まりない事件のせいで滅茶苦茶にされてしまった親子の絆や、まわりとの繋がりがどうなっていくのか、修復できるのか、観客はじっと見守るしかない。つらい。

「事件ではなく、事故に遭ったと思え。じゃないと辛くて生きていけないだろ?」と、友人の1人がいうシーンがありますが、いやそうじゃないんだよ、と。友人が、被害者家族のことを思って言ってくれてることも分かるけど、そうじゃないんだよ、と。親切が裏目に出て友人と仲違いするシーンもほんとつらい。「やられたものしかこの辛さはわからない」と被害者の父が言うシーンがありますが、もちろん被害者家族の気持ちは第三者にはわからないし、被害者である少女の気持ちなんてもっと共感することはむずかしいんだと思います。

この手の映画を見ると、結末にああだこうだ言う気持ちは微塵もないけど、とにかく犯行や犯人に対しての怒りが収まらなくてたまらん。特にこの映画の犯人は、風貌やら演技やらリアルすぎて、ほんとに腹が立ってしょうがない。

犯罪はもちろんだめだし、許せない事件は山ほどあるけど、その中でも少年少女とか、自分よりもあからさまに弱い存在に力を振りかざすのはほんとやめようや、と。
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