wiggling

フットノートのwigglingのレビュー・感想・評価

フットノート(2011年製作の映画)
-
横川シネマにて。カンヌで脚本賞を獲った作品だそうで、確かに良い出来です。イスラエル映画って点でもあれこれ思う事多し。

宗教学を研究する学者である父と、同じ研究をする学者の息子。父は長年評価される事がない一方で息子の評価は上々で、親子関係には微妙な緊張感が常に漂う。そんな事情もあり心を閉ざしてしまった父に一本の電話が入り、権威ある賞を受賞する事が伝えられる。が、実は息子の受賞が間違って伝えられた事が分かり、さぁ大変というお話。

ぶっちゃけ何処にでもある親子間のトラブルの話なんだけど、何処にでもあるが故に心に引っかかる。何故ならこれはイスラエルの一家の物語だから。ガザへの攻撃を国民の大半が支持している国の話ですよ。この物語に見られるように、自分たちとほとんど変わらない感情を持つ彼らが何故あれほどの暴力を許してしまうのか。逆に考えると、我々日本人が隣国への武力行使にYESと言ってしまう可能性も高いって事だよね。

全然映画の話じゃなくなってきたけど、こんな事を考えるときっかけになるのも映画の素晴らしさなわけで。中東の作品が普通に観れるという事に感謝せずにいられない。

しかしお国柄セキュリティチェックが凄いね。図書館ですら空港並のゲートがある事に驚いた。
wiggling

wiggling