広島カップ

クライマー パタゴニアの彼方への広島カップのレビュー・感想・評価

3.0
パタゴニアという名前はアウトドアウェアーのブランドとしてよく耳にしますが何処にあるのか?といわれると「え〜とぉ、南米のぉ、下の方」としか知りません。
アルゼンチンとチリにまたがる地方の総称だそうで年間を通じて低温で風が強い地域である事が特徴だそうです。

2012年にそのパタゴニアにあるセロ・トーレという山に挑んだクライマー、デビッド・ラマの挑戦を描く。
パタゴニア特有の強い風と山の氷の岩壁、脆い岩肌が挑戦者をはね返します。彼は過去に二度挑んだが失敗し三度目の挑戦で頂きに立ちます。

最後のフリークライミングはとにかく圧巻。命綱だけを付けた登坂のフリークライミング。
私が本作の前に観た『フリーソロ』(2018)は命綱さえ無しでした。どちらが命知らずかといわれるとフリー..に軍配を上げたくなってもしまいますが、この悪条件の中では命綱やむなし!という気分です。

困難にチャレンジするという心意気には感心しますが、関東平野のど真ん中で生まれ育って半世紀、高所恐怖症の当方からすると「イヤぁ〜だぁ、信じらんな〜い」という崖登りの映画。
登っている人が皆宇宙人、超人類に見えてしまいます。

本作の5年後の2019年、デビッド・ラマは登山中に雪崩にあって遭難し命を落とします。
こうした登山家や冒険家が若くして命を落とすことに対しては「そんな事するからだよ」と高所恐怖症の立場から言えるような気持ちにはとてもなれません。
素晴らしいチャレンジだと思います。
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