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テロ、ライブのmimocyanのレビュー・感想・評価

テロ、ライブ(2013年製作の映画)
3.5
テレビを追われた元人気キャスターVS爆破テロ犯。
正直、話としては結構穴もあるし、韓国映画お馴染みの無能な警察のせい…とも言いきれない無理やり感もちらつきます。ワンシチュエーションものの命はアイディアと細かいところを気にさせないスリル、スピード感ではあるし、そこは締まっていて面白かったけど、サスペンスとしての評価は半分半分。

ただし、描かれたテーマとその結末にはさすが韓国映画!と唸らされた。
まず、主人公はこのテロ事件をキャスターに返り咲くチャンスとしか思ってない。彼だけじゃなく、局の上のひとも主人公と取引しつつ、ちゃっかり自分もこの件を踏み台にしようとしていて、反道徳的な腐敗臭が相当に芳ばしい。
腹に野心を抱えつつ、テレビ中継では決然と犯人に立ち向かってみせる。切迫した状況下でその表と裏のない交ぜな心理描写がすっごく人間臭くて、ここはほんとに引き込まれる。
そりゃないでしょうよ…と突き放される展開が何度も訪れて、一向に事態は好転せず、ますます窮地に追いやられる。その中で、主人公が肉体的にも精神的にもボロボロになっていくのですが、全てのメッキが剥がれて、望みも野心もなにもかも失った彼の目には何が映ったのか。
妥協を見せない結末は、韓国映画ならではでもあり、なかなかずしんときました。