狭須があこ

アデライン、100年目の恋の狭須があこのレビュー・感想・評価

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
3.3
私は先月28歳になったんですけど、時々老化を感じています。

イヤね、30代、40代、50代の方には言われると思いますよ
「何言ってんの20代なんかまだまだよ。本当の老化はこれからだから」
でもねぇ、20代の前半までっていうのは、そもそも「老化」というものを感じたことがない年代なんですよ。

これから老化の程度は増していくとはいえ、「老化」という現象そのものに出くわすのが、生まれて初めてなんです20代の後半って。
何も考えず登ってきた道が、ふと気づいたら下り坂になっていて、その遠く先に「死」があることに気付く。
感じたことのないはじめての不安に出くわす年代なんです。

そういう今の時期に「はい不老不死になりましたよ~」って言われたとしたら、とりあえずはホッとするでしょ
てか彼女の場合、ナレーションが聞こえてないとしたら自分が不老不死になったことには気づいてないわけだから、数年は浮かれるべきでしょ
「なんか私ここ数年変わってなくね?サバ読めるくね?」って
流石に10年経って何も変わらなかったら不安を感じるのはわかるよ?
でも「サバ読んでもいけそうですね」って言ってくれてる人がいるってことは、アメリカでも若く見られるのは嬉しいことなんじゃないの?

別に後ろめたいこともないのに彼女が憂いに満ちたカンジで身を隠して生きていく理由がよくわかんなかったんですけど、私こないだ宝塚の「ポーの一族」と「不滅の棘」っていう不死モノを続けて見たから「愛する人たちと一緒に年をとっていくことができないから」って理由かなぁ、とか思ってたんですよ。
そしたら「政府に捕まって標本にされるから」とか言ってて

え!?愛する人から身を隠す理由が保身!?
愛より命ってこと!?

れ、恋愛モノで愛より命をとる人初めて見た

そこまでして大事にしている命で一体何をしたいのかがよくわかんなかったけど、もしかして、彼女はとても臆病な人だったんだろうか。
一歩踏み出して危険な目にあうリスクをおかすなら愛とかやめとこ、ってなるくらい臆病な人だったのか。そこにガンガンいこうぜコマンドかけてくる男の血筋がうまく噛み合ったわけだ。
あーつまり、臆病で逃げ腰でも、美人ならアプローチがかかるわけだ…

てかそんなんならまず顔のホクロでバレるでしょ。アメリカの宮沢りえ、ブレイクライブリー

ファンタジー設定が半分くらいブッこまれた映画ってなかなか入り込みづらいんですけど、しかもファンタジー設定だけナレーションで入れてくるのでなかなかクセが強かったです
奇跡の設定ではあったけど、100年勿体ぶるレベルの奇跡の愛だったのか?ってのは私にはわからなかった。

関係ないけど、これで不老不死になれるんなら、「ベンジャミン・バトン」で7回も雷に打たれたおっさんはそろそろ不老不死になってもいいと思います
狭須があこ

狭須があこ