【第70回ヴェネツィア映画祭 審査員大賞】
「私にとって映画とは「映像」と「時間」です」(ツァイ・ミンリャン)
この作品を持って商業映画からの引退を宣言したツァイ・ミンリャンだが、今年のベルリン映画祭には『Days』が出品されカムバックしたようだ。
元々は女性脚本家が書いた脚本をドラマにしてくれとの依頼だったが、書き直す内に映画でやりたい、となり買い取ったという。
一応話らしきものは前半まではあるものの、後半からは現実と虚構が入り交じり、14分もの長回しへと突入する。
まさしくここには「映像」と「時間」がある。
キャベツを食べるシーンは凄かった。ツァイ・ミンリャンはただ「キャベツを食べてくれ」としか言わなかったそうだ。あれは完全にアドリブ。性欲、殺意、食欲、哀しみ、孤独など感情が雪崩のように押し寄せる。ただキャベツを食べているだけなのに。
話は意味が分からないけどとにかく凄いとしか言いようがない作品。