凄いなあ、この脚本。そして、これは、明らかに好き嫌いが分かれる作品。
かく言う自分も、数年前にレンタルした際は、退屈で退屈で途中でリタイア。今回、Amazon Prime Videoで無料配信されている事を知らなければ、二度と視聴しようとは思っていなかったであろう。
5人(POVの役割を担うカメラマンを含め)だけで成立する舞台劇のようなものなのだが、あたかも1カットで撮影しているかのような編集で見せる緊張感、そして、奇想天外とはこのこと、あの、何とも素晴らしいエンディング。浅薄なのか深淵なのか見る者に問いかけるテーマ。
白石晃士監督の他の作品は見た事ないが、日韓合作を謳う作品の中では、一番の出来じゃあないかな。
にしても、ここでも、無名ながらも、韓国人俳優陣と日本人俳優陣の力量の差、見せつけられたなあ。連続殺人犯を演じた韓国人俳優は、よくもあれだけのセリフ量を、緊迫感を保ったまま演じられたもんだ。対して、日本人カップルよ・・脱ぎの女優は仕方ないにしろ、もう一人の若い男の俳優、声だけ張ってれば、そこそこの演技として成立してると勘違いしてしまっている典型的な舞台役者。
また、この作品が「ホラー」のジャンルに入っているのは、大きな誤解。強いて言うなら哲学・宗教学の分野だな。