パンケーキレンズ

アンナプルナ南壁 7,400mの男たちのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

3.0
5人に2人は命を落とすという、ヒマラヤ山脈で最も危険度の高いアンナプルナ南壁を舞台にしたドキュメンタリー

頂上を目指す男達の勇姿!
というよりも
頂上を目前にしてダウンした、一人の登山者を救うための、救出劇がメインです

ダイナミックな映像やアツい演出は殆どなく、インタビュー方式で進む、意外と地味なドキュメンタリーでしたが、「どうして山に登るのか」「どうして救出に向かったのか」という問いに対する、彼らの実直な生の言葉が、素直に胸を打ちます・・・

お金の為でもなく
名誉の為でもなく
ただ
生きているという事を“自分自身に”証明する為に・・・

その、生と死が混ざり合う深淵の
本当の厳しさというのは
どんな言葉も超越してしまうのかもしれない

「頂上に達した者の独特な表情」というくだりが、ものすごく印象的だった

そこにあるのは、達成感ではなく

地獄からの生還者の表情、そのものだったからです

生と死の狭間を彷徨い
行き着くところまで行き
しかも生還した者が見たものは・・・

それが登山の過酷さを一番物語っていた