予告などで絶対イメージする「ギャングとFBIと政治家が結託して狡猾な手口で悪事を揉み消す」話では全然ない訳ですよこれ。
「蔓延るマフィアを排除する為」という免罪符によって水を得た魚のように好き放題するギャングと、そんなギャングを手のひらで転がそうとしたら手に余ってあたふたするFBIと、ギャングの実の弟ということでなんとなく巻き込まれた政治家、という三者三様を描いているだけで、そこには「ほう、なるほどね」といったトリックもなにもないんですよね。
基本、ギャング役のジョニデさんを主軸に展開していく訳ですけども、なんとなく摑みどころがなくて、そこがいいのかもしれないのですが、無茶苦茶過ぎていまいちこう理解に苦しむんですよ。
ジョエル・エドガートン君もベネディクト・カンバーバッチ君も出だしこそ悪そな奴オーラを醸し出しておりましたが、中盤以降大した見所もなく終わっていってですね。
そんなんで一方のジョニデさんも怪演と言えば聞こえは良いのですが、それ言うと少し前に観た『Mr.タスク』の方が凄かったな、と。
禿げてもジョニデさんとわかるより、声を聞くまで「あんた誰?」というジョニデさんの『Mr.タスク』
ベネディクト・カンバーバッチ君との似てない兄弟役より、ジョニデさんの実の父娘の競演がある『Mr.タスク』
なんだか情けない終わり方のジョニデさんより、意外とおいしいところをさらっていく『Mr.タスク』
『Mr.タスク』に星3.1しかつけてない僕も、そっちを推さざるを得ない出来。
そんな訳で、バックアッププランに『Mr.タスク』を用意した上でご覧になると、とても宜しいんじゃないかと思います。