舞台に出る前のアルゲリッチさんがすごく印象的だった。
予防線なのか、単純に行きたくないのか、
その場で思いつく限りの理由を述べ(熱がある、具合悪い、眠い)
行きたくなさそうにごねる。
大きなプレッシャーを前に逃げたくなる気持ちすごくわかる。
こんな偉大な人でもこうなるんだとびっくりした。
毎回ステージに上がる前には緊張に押し潰されそうになって嫌な思いをするのはわかってるのに、それでもピアニストを、コンサートを辞めないで続けるってすごい。
「舞台に出る前の母の不安を
子供のころから見てきた」
それと話の節々に垣間見える、母の愛を求める娘たちの健気な姿に何度か泣きそうになった。
アルゲリッチさん、そんなに優しそうな顔で、美しい笑顔で笑わないで。見惚れてしまう。