クレミ

メビウスのクレミのレビュー・感想・評価

メビウス(2013年製作の映画)
3.7
罪深い男の子たち〜〜!みーんなキム・ギドク「メビウス」を見ようね〜〜!

キム・ギドク作品鑑賞3本目にして、やはりこの監督が撮る作品の中では、性欲や暴力というものが人間と人間との関わりにおいて起こる摩擦やディスコミュニケーションを象徴しているのだと気付く。あと、女性に対して求めているものと、恐れているもの、嫌悪するものも非常に男性的で一貫してるなぁと。
それにしてもやりすぎでしょ…痛いわ不憫だわ気味が悪いわ。お母さん怖すぎる〜〜〜〜!もう男も女も嫌いだ、気持ち悪い、性というものはなんて醜いんだ、とさえ思えてしまうよ…

人間の業の深さ、醜さ、罪、それを男根と性欲に象徴させるというどストレートさ。男根を失ったら、肩にぶっ刺したナイフをシコシコしながら、母親と全くおなじ顔して、何も言わず全てを受け入れてくれる優しい女の胸に顔を埋めながら達するようになるわけですよ。全く持って醜いし、そこまでしても お前らはセックスがしてーのか?絶頂に達したいのか?ってもう嫌になってしまうんだけど。男にしろ女にしろ、そういう人間の欲望とか本能からなる罪深さって、なんだか笑えるんですよね。滑稽というか。この映画でものっけから笑えるシーン満載なんだけど、その辺りはきっとこの監督分かってやっているなあと感じます。

父から息子へ、親から子へ、男から女へ、痛みから快感へ、人間の業は廻る。
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