shino

グッド・ライ いちばん優しい嘘のshinoのレビュー・感想・評価

4.0
"これはいい嘘なんだ。"

年末年始は灼熱のタンザニアで過ごしていたので、すごく久々に観れた1本♡
記念すべき2018年1本目はアフリカの地で見たかったシリーズ(*´︶`*)
これからこのシリーズがしばらく続きます。笑

スーダン内戦で親を失った幼い兄妹たち。何日も何日も大自然の中を歩いてたどり着いた、ケニアのカクマ難民キャンプ。
そこに至るまでの壮絶な日々と、アメリカに移り住んでからの葛藤、人との温かい関わりを描いた作品。

この映画、なんと主要キャストの兄妹たちは実際のスーダン難民、元少年兵が演じているんです!演技であって演技でない…彼らの瞳の奥の深さに吸い込まれそうなシーンがあります…(´;ω;`)

救済プロジェクトで渡米した彼らのお世話係役演じるリース・ウィザースプーン。
彼らとどう打ち解けたのかっていう描写が薄くて、パッケージのテロップに少し違和感を感じてしまうけど、それ以外は忠実に丁寧に作られている印象を受けました。

アメリカで今まで出会ってこなかったものに初めて触れたり、マックシェイクを飲んでぱあぁっと広がる彼らの表情がとにかくかわいい(*´︶`*)
私も今の同僚をスケートに連れて行ってツルツルさせたい。笑

便利で安全なアメリカでの暮らしの中、それでも彼らの脳裏に思い出されるのは、残酷で美しい故郷の大自然。
夜空に散らばる星…
赤土をゆっくりと練り歩く牛たち…
兄弟を殺したライオン…
木の上から見渡す果てしない地平線…

内戦孤児はかわいそう。それに比べて自分の国はなんて幸せなんだろうって思うのはただのエゴで、みんな自分の国に不満や不安を抱えながらも、誇りや愛着があるはずで…
それを拭い去ることや否定することはきっと誰にもできない。
それが故郷なんだろうなってアフリカに来てすごく感じます。

快適とは言えない環境のなか、大人数で一緒に助けあって暮らしているアフリカの愛すべき家族たち。ちっちゃい子がさらにちっちゃい子をおんぶして裸足でかけ回るいつもの光景。彼らの兄妹の絆ってやつには到底かなわない。
私だったら主人公と同じように、その時、いい嘘がつけただろうか…
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