りんとん

グッド・ライ いちばん優しい嘘のりんとんのレビュー・感想・評価

4.1
スーダンの内戦で家族と家を失ったロストボーイズ(難民孤児)と、彼らの就職活動を支援する女性キャリーとの物語。

まずね、アフリカでの場面がキツいこと。
穏やかに暮らしているなかで、ヘリが飛んできて兵士が銃撃。
安全なところへ逃げるために何百キロと歩くのだけれど、兄弟が病気で死んだり、兵士に撃たれたり…
川を流れて行く遺体が…あの中泳いで逃げるなんて言葉が出ない。
民間を襲うなんて、何考えてんの!?戦いたい奴らだけ戦えよ!!

それから、アメリカへ難民として渡った兄弟と姉。規則のせいで姉が離れて暮らすことになるのだけれど、アフリカでは家族が離れることの重さが全然違うのね。
文明に驚いたり、文化や信仰の違いから馴染めなくて苦労する。
アフリカからアメリカだったら、違う世界に来たという言葉そのものだろう。
ただ、私だって日本から出たことがないし、どの国に行っても一人では絶対過ごせない。
兄弟がいて良かったね。手を繋いであるいている姿にグッときてしまう。
戦争さえなければ、彼らは故郷で暮らせたのにね。

就職を支援する女性キャリーは、初めは全然理解してくれなくて溝が深いのだけれど、離された姉を引き取るために行動してくれる。この辺りからガラッと雰囲気が変わるよね。笑
アイスを一緒に食べるシーンなんて、素敵だな。姉妹のことを助けてあげたいって気持ちが伝わってきた。

グッドライ…一番優しい嘘、なんていうけれど…仲間の命を守るための嘘…優しくて苦しいよ。。。
嘘をつかなければいけない状況に追い込む存在がいることを忘れてはいけないなと…

難民問題って複雑だね。
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