YasuyukiMuro

グッド・ライ いちばん優しい嘘のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

3.7
第2次スーダン内戦、難民としてアメリカに移住した戦争孤児=ロストボーイ4人の物語。
夢にまで見たアメリカ。コミカルに描かれた文化の違いは笑えたけど、印象に残ったのは人と人との関わり方の違い。
貧しくても、家族・兄弟で力を合わせて生きる、困ってる人は助けるのが当たり前だった彼ら。でもアメリカでは、可・不可の判断は、規則や法律が基準となる。彼らにとっては違和感しか無かったんだろうな。

以前、読んだ本に『18世紀後半頃まで、人類にとって「家族」や「地域コミュニティ」は、今で言う福祉や医療、教育、年金基金、保険会社、更には建設業界、銀行、警察の機能を持っており、家族と離れ離れになる事は死を意味した。現代では行政や民間企業がその役割を担い、個人の自由と引き換えに、かつての家族や地域コミュニティの役割は崩壊した…』という意味あいの記述があったのを思い出した。
まさにスーダンのロストボーイの家族や兄弟の助け合いは、人類の行動の原点なのかなと思う。どちらが正解とかでは無く…。

スーダンの終わらない内戦の事だけで無く、そういった事を考えさせてくれた、地味だけどいい映画でした。
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