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海街diaryのmemoのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
4.7
鎌倉の、縁側がある昔ながら一軒家で、4姉妹が一緒に暮らしながら時間をかけて家族になっていく。人と人の関係も、それぞれの悩みや秘密の思いも(まるで時間をかけて熟成される梅酒のように)ゆっくりと穏やかに変化していく。暮らしの様子、心情や人間模様がとても豊かに描かれていて本当に好き。梅酒や浴衣というこの家の、家族の、歴史みたいなものをすずが少しずつ受け継いでいくのがいい。大切な人の死、時間の流れ、物や習慣によって受け継がれて続いてゆく記憶や思い出。永遠に続くものなどないけれど、誰かが生きていたという確かな事実が、人と街と生活によってゆるやかに次の世代に引き継がれる。次の人たちはそうした記憶や思い出の蓄積のようなものをたくさん抱えながら、また彼女たちの人生を生きていく。彼女たちが浜辺を喪服で歩くエンドロールが息をのむほど美しい。
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